又吉内科クリニック　BLOG

（質問） 体調が悪く病院で診てもらったら、医師から動脈硬化に気を付けるよう注意されました。お酒・たばこも好きで、食事はお店の弁当なので脂っこいものです。動脈硬化についてと食生活の方法を教えて下さい。

　「ヒトは血管とともに老いる」これはウィリアム・オスラーという高名な医学者の言葉です。心臓から送り出された栄養豊富な血液は動脈というゴムホースによって身体のすみずみまで運ばれます。動脈硬化とは、動脈の血管の壁がコレステロールなどの沈着により狭くなったり、硬くなったりする状態をいいます。動脈硬化によって組織や臓器全体の血行障害を起こす病気を動脈硬化性疾患といい、具体的には、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、狭心症、大動脈瘤、大動脈解離、腎硬化症やそれによる腎不全、閉塞性動脈硬化症といった病気があります。
　ご質問の、動脈硬化とお酒、タバコ、食生活に関してお答えします。適量の飲酒は健康を増進させる薬にもなりますが、飲み過ぎは高血圧や脂質異常症などを来たし動脈硬化を悪化させる危険性があります。また、喫煙時に体内に入るニコチンや一酸化炭素などは動脈硬化の強い危険因子といわれています。お酒はほどほどにして、タバコはやはり禁煙が一番です。食生活に関しては、食べるものすらなかった昔は、動脈硬化性疾患、生活習慣病はほとんどありませんでした。しかし、社会が豊になり食の欧米化と共に肥満、糖尿病、脂質異常症などが増え、動脈硬化性疾患が急激に増えています。特に沖縄県は日本一の肥満県であり、アメリカ世の影響から食の欧米化がいち早くすすんだ特殊な歴史的背景があり食生活の改善が特に必要です。では、毎日の食事をどう改善したらよいのでしょう。揚げ物や肉類を減らし、魚油(EPA)などを多く摂るように心がけて下さい。外食や買弁当はできるだけ避け、ご飯を主食にして緑黄色野菜、豆類、海草類、醗酵食品をしっかり摂りましょう。肥満を解消し、塩分をひかえて高血圧の予防も大切です。又、水分補給は血液の流れをよくし、血栓(血の固まり)をつくりにくくします。１日に1.5〜2Lの飲水を心がけて下さい。
　食生活を改善し、運動を取り入れ、血管年齢を若々しく保ち健康な毎日を送りましょう。

（2010/7/1 琉球新報レキオ掲載 又吉内科クリニック 又吉亮二）