ダイエットブーム

matayoshi

2012年03月11日 21:54

 ある女子高生対象の健康に関するアンケート調査の結果を見て驚かされました。「自分は太っていている」と思っている学生は全体の51%であり、「今より痩せたい」と思っている学生はなんと91%に上るというのです。すなわち、太っていると思わなくても「痩せたい」という願望があるということです。肥満が健康に悪いということは誰もが認めるところですが、それ以外に女性には「美しくなりたい」=「痩せたい」という意識が常にあるようです。
 女性は思春期を迎えると、子どもを産み育てる準備として皮下脂肪が蓄積され、ふくよかな体型になります。一定の脂肪を蓄えながらカラダは発達していくのです。今、思春期となる年齢がどんどん下がっています。それに合わせてダイエットしたいという年齢も、高校生から中学生へと下がってきているのが現状です。ここで問題になるのは、ダイエットの低年齢化です。子どもたちのカラダが未完成の時期にダイエットを始めると、骨も緻密にならないし、各組織が完成できないからだになります。
 健康に関連したブームには、口コミが大きく作用します。例えれば、「ヨーグルトが○○に効く」とテレビで紹介されると、ヨーグルトが売り切れ状態となります。これまでは話題にすらならなかった食材も、「体によい」という口コミが広がることによって、「売れ筋商品」に駆け上がることは珍しくはありません。特に「ダイエット」というテーマに関しては、いつの時代にも、女性を中心として人々の関心を集めます。今やダイエット市場は、日本で1兆円を超す巨大マーケットとなっています。風船を膨らませる運動がいいとされた「風船ダイエット」、テープによる加圧でツボを刺激する「テーピングダイエット」、髪をしばることで頭部のツボを刺激する「髪しばりダイエット」、など「本当か?!」といいたくなるものまでいろいろあります。時代と共に新しく出ては消えていくダイエット法はまさしくブームです。
 子どもたちには、単なるブームに惑わされることなく、適切なものを食べて、自分のカラダをしっかりつくることの大切さを教える必要があります。

(週刊レキオ Dr又吉の知って楽しい食育のチカラ 2012.3.8)