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緊急内視鏡
私の専門は消化器内科であり、胃カメラや大腸カメラを用いた内視鏡検査や内視鏡治療を専門的に行っています。内視鏡治療というのは、カメラを用いてポリープなどを切除したり、消化管出血などで出血を止めたりする処置のこと。救急病院勤務の時は、日中の診療時間内はもちろんのこと、夜間にも内視鏡検査が必要な場合は当番の医者がオンコール※で呼び出されます。
救急病院では吐血や下血といった消化管出血の患者が多くいて、出血をきたしている病変の診断と止血処置のために緊急内視鏡検査が必要になります。消化管出血で一番多いのは、胃潰瘍と十二指腸潰瘍からの出血です。消化性潰瘍は再発が多いため、一度治療しても再出血にて救急を受診する患者がとても多い病気でした。
私が救急病院勤務をしていた約20年前のこと。内視鏡検査オンコールの夜、救急外来に3人の吐血の患者受診があり、3回呼び出されたことがあります。3回とも緊急内視鏡を行いましたが、最後の検査が終わった時には空は白々と明け始めていました。医局で仮眠をとり、重い足取りで午前の外来診療に向かったのを覚えています。
近年は消化性潰瘍の多くがピロリ菌感染によって起こることが分かり、その治療が広まったことも功を奏して、消化性潰瘍からの出血は減ってきています。その半面、鎮痛剤や抗血小板剤といった薬を内服している患者が増え、その副作用で消化管出血を起こす高齢者が増えてきています。医学の発展とともに、病気の種類や頻度が変化していくこともあるのです。
「吐血です」と呼び出されて救急外来に行ってみると、鼻血だったり歯肉からの出血だったりすることもありました。患者さんには「重症でなくてよかったですね」と笑顔で言えましたが・・・。
※患者の急変時や救急搬送時に備え、専門の医療従事者が勤務時間外も対応で
きるように待機していること。
(琉球新報 うない「Dr又吉のユンタク半分医者半分」 2019. 5 - 6 掲載)
救急病院では吐血や下血といった消化管出血の患者が多くいて、出血をきたしている病変の診断と止血処置のために緊急内視鏡検査が必要になります。消化管出血で一番多いのは、胃潰瘍と十二指腸潰瘍からの出血です。消化性潰瘍は再発が多いため、一度治療しても再出血にて救急を受診する患者がとても多い病気でした。
私が救急病院勤務をしていた約20年前のこと。内視鏡検査オンコールの夜、救急外来に3人の吐血の患者受診があり、3回呼び出されたことがあります。3回とも緊急内視鏡を行いましたが、最後の検査が終わった時には空は白々と明け始めていました。医局で仮眠をとり、重い足取りで午前の外来診療に向かったのを覚えています。
近年は消化性潰瘍の多くがピロリ菌感染によって起こることが分かり、その治療が広まったことも功を奏して、消化性潰瘍からの出血は減ってきています。その半面、鎮痛剤や抗血小板剤といった薬を内服している患者が増え、その副作用で消化管出血を起こす高齢者が増えてきています。医学の発展とともに、病気の種類や頻度が変化していくこともあるのです。
「吐血です」と呼び出されて救急外来に行ってみると、鼻血だったり歯肉からの出血だったりすることもありました。患者さんには「重症でなくてよかったですね」と笑顔で言えましたが・・・。
※患者の急変時や救急搬送時に備え、専門の医療従事者が勤務時間外も対応で
きるように待機していること。
(琉球新報 うない「Dr又吉のユンタク半分医者半分」 2019. 5 - 6 掲載)
2019年05月23日 20:45
Posted by matayoshi
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