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肉と魚の食べ頃
肉や魚、どうせ食べるなら、いちばんおいしい状態で食べたいものです。肉や魚の種類によって一番おいしい時期が違うことを知っていますか?
動物が死ぬと死後硬直(死体の筋肉のエネルギーが失われ硬くなること)が起こります。硬くなった筋肉細胞は、やがて分解して再び軟らかくなり、これを硬直解除といいます。
魚の場合、「活け魚」は死後硬直を起こす前のものをいい、「鮮魚」は死後硬直初期のものをいいます。魚は一般的に死後硬直の頃がいちばんおいしいといわれます。死後硬直の起こる時間は、魚によっても違っていて、傷みやすいといわれるサバやアジなどは当然早いです。捕獲した魚を氷詰めにした場合、ハマチで4時間、マダラで6時間、マダイでは24時間ほど後に硬直のピークがあるようです。
魚は死後硬直の頃がいちばんおいしいのはなぜでしょうか?筋肉の中にはATP(アデノシン三リン酸)という物質があり、死後硬直の時に急速に分解されます。その分解物が、うま味成分のひとつであるイノシン酸なのです。死後硬直の初期には一時的に、イノシン酸がたくさんたまるタイミングがあるため、この時の魚が、いちばんおいしいというわけです。
牛や豚の肉はどうでしょう。食肉処理してから1〜2週間ほど、4℃くらいのところで肉の塊をぶら下げて熟成させる必要があります。肉も魚同様に死後硬直がありますが、肉は硬直が解けないと硬すぎるのです。硬直が解けるときに筋肉の一部が分解され、アミノ酸が増加します。これがうま味になります。
映画「ロッキー」で、主人公が冷蔵保存室の中で、ぶら下げられた肉をサウンドバック代わりにトレーニングしているシーンがありましたね。あの肉もおいしく熟成したでしょうか・・・。
(琉球新報 うない「Dr又吉のユンタク半分医者半分」 2018. 1-2掲載)
動物が死ぬと死後硬直(死体の筋肉のエネルギーが失われ硬くなること)が起こります。硬くなった筋肉細胞は、やがて分解して再び軟らかくなり、これを硬直解除といいます。
魚の場合、「活け魚」は死後硬直を起こす前のものをいい、「鮮魚」は死後硬直初期のものをいいます。魚は一般的に死後硬直の頃がいちばんおいしいといわれます。死後硬直の起こる時間は、魚によっても違っていて、傷みやすいといわれるサバやアジなどは当然早いです。捕獲した魚を氷詰めにした場合、ハマチで4時間、マダラで6時間、マダイでは24時間ほど後に硬直のピークがあるようです。
魚は死後硬直の頃がいちばんおいしいのはなぜでしょうか?筋肉の中にはATP(アデノシン三リン酸)という物質があり、死後硬直の時に急速に分解されます。その分解物が、うま味成分のひとつであるイノシン酸なのです。死後硬直の初期には一時的に、イノシン酸がたくさんたまるタイミングがあるため、この時の魚が、いちばんおいしいというわけです。
牛や豚の肉はどうでしょう。食肉処理してから1〜2週間ほど、4℃くらいのところで肉の塊をぶら下げて熟成させる必要があります。肉も魚同様に死後硬直がありますが、肉は硬直が解けないと硬すぎるのです。硬直が解けるときに筋肉の一部が分解され、アミノ酸が増加します。これがうま味になります。
映画「ロッキー」で、主人公が冷蔵保存室の中で、ぶら下げられた肉をサウンドバック代わりにトレーニングしているシーンがありましたね。あの肉もおいしく熟成したでしょうか・・・。
(琉球新報 うない「Dr又吉のユンタク半分医者半分」 2018. 1-2掲載)
2018年04月20日 20:01
Posted by matayoshi
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