
おにぎりの下のメッセージ
私が医学生のころ、福岡の小児病院の喘息児キャンプにボランティアで参加した時のことです。家庭ではキャンプには行けない中等症以上の喘息児に、医療チームが十分なバックアップ体制をとりながらキャンプを体験させるものです。途中で発作をおこし吸入や点滴が必要となる子もいますが、治療を受けながらもキャンプを続けます。この体験を通して子どもたちに自信と勇気を持ってもらうことを目標としています。
小学校三年生のよっちゃんは、これまで何度も喘息で入院したことはありますが、親元を離れて病院以外で宿泊するのは初めてです。出発の朝、色白できゃしゃな体に大きなリックを背負い、不安気な表情で私の前に登場しました。今にも泣き出しそうな顔でお母さんの方を見ています。後ろからみると、大きなリックの上にちょこんと帽子がのって、その下に細い足だけが見えます。
さあ、楽しいキャンプへ出発です。目的地に着くとまずは持参のお弁当の時間です。子どもたちの輪の中で弁当を食べていると、横にいたよっちゃんが私に合図をします。「せんせ〜、みてみて」よっちゃんの弁当箱をのぞき込んでみると、おにぎりが二個入っています。大きなのりに包まれた三角形のおにぎりを取り出すと、その下にはラップに包まれたメッセージが入っていました。「きっと楽しいキャンプになるから、大丈夫よ!」もう一つのおにぎりも取ってみせてくれました。その下には「よちゃんならできるわよ。喘息なんか吹き飛ばしてね!」お母さんからの熱いエールです。その後、よっちゃんはお弁当をペロッと完食し、思いっきりキャンプを楽しみました。よっちゃんは、二泊三日のキャンプ中に二度の発作を起しましたが、それでも最後までキャンプを続けることができました。
手作りのお弁当には、人を幸せにするパワーがあります。人は単に栄養だけを食べているのではなく、お弁当に込められた愛情も食べているのです。そして子どもの心は、その愛情で育ちます。心が満たされ、幸せを感じ、元気と勇気が湧いてくるのです。よっちゃんも愛情弁当のおかげでキャンプを楽しく過ごすことができたのでしょうネ。
(週刊レキオ Dr又吉の知って楽しい食育のチカラ 2012.5.10)

小学校三年生のよっちゃんは、これまで何度も喘息で入院したことはありますが、親元を離れて病院以外で宿泊するのは初めてです。出発の朝、色白できゃしゃな体に大きなリックを背負い、不安気な表情で私の前に登場しました。今にも泣き出しそうな顔でお母さんの方を見ています。後ろからみると、大きなリックの上にちょこんと帽子がのって、その下に細い足だけが見えます。
さあ、楽しいキャンプへ出発です。目的地に着くとまずは持参のお弁当の時間です。子どもたちの輪の中で弁当を食べていると、横にいたよっちゃんが私に合図をします。「せんせ〜、みてみて」よっちゃんの弁当箱をのぞき込んでみると、おにぎりが二個入っています。大きなのりに包まれた三角形のおにぎりを取り出すと、その下にはラップに包まれたメッセージが入っていました。「きっと楽しいキャンプになるから、大丈夫よ!」もう一つのおにぎりも取ってみせてくれました。その下には「よちゃんならできるわよ。喘息なんか吹き飛ばしてね!」お母さんからの熱いエールです。その後、よっちゃんはお弁当をペロッと完食し、思いっきりキャンプを楽しみました。よっちゃんは、二泊三日のキャンプ中に二度の発作を起しましたが、それでも最後までキャンプを続けることができました。
手作りのお弁当には、人を幸せにするパワーがあります。人は単に栄養だけを食べているのではなく、お弁当に込められた愛情も食べているのです。そして子どもの心は、その愛情で育ちます。心が満たされ、幸せを感じ、元気と勇気が湧いてくるのです。よっちゃんも愛情弁当のおかげでキャンプを楽しく過ごすことができたのでしょうネ。
(週刊レキオ Dr又吉の知って楽しい食育のチカラ 2012.5.10)

2012年05月11日 18:30
Posted by matayoshi
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