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てぃーだブログ › 又吉内科クリニック BLOG › 一刻を争う熱射病

一刻を争う熱射病

 数年前に実際に起きた悲しい事故です。
 中学2年生のA君は野球部に所属していました。野球部の間では強豪校として知られてきた学校ですが、夏の県大会前の練習試合でライバル校に大敗を喫してしまいました。監督は選手たちのふがいなさに試合後に、罰として次のトレーニングを課しました。30M走を100本、ダッシュを200本。
 当時の炎天下のグラウンド表面温度は、約38度と予測されます。A君は、最初はみんなと走っていましたが、途中からどんどん遅れるようになり、最後にはよろけて、突っ伏して倒れてしまいました。それに気ずいた友達が「大丈夫か?」と話しかけても、彼の声は言葉にはなりませんでした。異常事態に気ずいた監督が駆けつけた時には、彼は目を開けることもできなくなっていました。呼吸は浅く不規則になり、唇は紫色をしていました。救急車が到着した時には、既に呼吸と心臓は停止した状態であり、救急隊員によって、心臓マッサージと人工呼吸が開始され、病院へ搬送となりました。
 病院の救急室でも懸命の処置が行われましたが、A君の心臓が再び動きだすことはありませんでした。医師の診断は「熱射病」でした。
 熱射病とは、熱中症の中でも最も重症で死亡率の高い状態です。体温の上昇によって脳の機能異常をおこし、意識障害がみられます。言動が不自然・応答が鈍い・もうろうとしているなど少しでも意識障害がある場合には、熱射病を疑う必要があります。
 熱射病は一刻を争う緊急事態で、短時間に重症化し死に至ることがあります。速やかに救急車を要請し、同時に次のような応急手当が必要です。
 救急車到着までの間、積極的に体を冷やすことが大切です。衣服を脱がせ、水をかけたり濡れタオルをあてて扇いだりします。氷やアイスパックがあれば、首、脇の下、足の付け根などを冷やすのが効果的です。できるだけ迅速に体温を下げることができれば、救命率が上がります。
 熱中症で一番大切なことは予防です。熱中症のことをよく知り、無理をせず、必要な水分と塩分をこまめに摂ることをすすめます。

(琉球新報 週刊レキオ 「Dr又吉の知って楽しい食育のチカラ」 H24.9.27)
一刻を争う熱射病
2012年09月27日 08:53
Posted by matayoshi
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