又吉内科クリニック　BLOG

　中学・高校生の成長期の男子はとにかくよく食べます。小、中、高校生の男の子がいる我が家では、休日には一日で一升の米がペロリとなくなります。おかずも作り過ぎたかな？と思っても、すぐ売り切れとなり、ひどい時は弱肉強食の様相さえうかがえます。
　高校生の男子が一日に必要なエネルギーはおよそ2400キロカロリーといわれますが、同じ高校生でも、ラグビー選手やサッカー選手に必要なエネルギーは4000〜4500キロカロリーといわれます。スポーツをする子どもはその活動量によって、必要摂取量にこれだけの差が出てくるのです。
　成長期のスポーツ選手にとって、食事はとても大切なものです。骨を丈夫にするカルシウム、そして筋肉を作るタンパク質をしっかり与える必要があります。毎日の食事が試合に勝てる体を作っていくのです。
　子どもの成長には個人差があります。成長の早い子もいれば、成長の遅い子もいます。「うちの子はきゃしゃで・・・」などと心配せず、子どもの成長段階に合わせて必要な栄養所要量をしっかり与えることが大切です。
　子どものスポーツを成長段階で考えてみましょう。
　小学生は脳や神経の発達が盛んな時期なので、体に負担の少ないトレーニングを行い、総合力を身につけるようにした方がよいでしょう。
　中学生になると、呼吸循環器系が発達するので、持久力を高めるような運動が適しています。
　高校生になると、筋肉や骨格系が発達してきますから、この時期は専門的なトレーニングや体作りに適しています。
　スポーツ選手が練習の成果を発揮し、試合で勝利を収めるためには、ベストコンディションをキープすることが大切です。アスリートの強靭な体を作り上げているのは、やはり毎日の「食事」です。意外に思うかもしれませんが、トレーニングの効果は、食事の質に左右されてしまうこともあるのです。
　「フォーム、ハンマーの軌道の美しさでは世界一」と高く評価されるハンマー投げの室伏広治選手も、「アスリートの最後の１メートル、最後の１秒は食事で決まる！」と表現しているほどです。

（琉球新報 週刊レキオ 「Dr又吉の知って楽しい食育のチカラ」 H24.11.8）