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鍋料理

 「なまにへなうちになくなる小なべだて」
江戸時代の川柳句集「柳多留」中の一句です。まだ生煮えだというのにあちこちから箸がのびて鍋は空。江戸の町に鍋もの屋が流行り始めた頃のこの一句は、鍋物がおいしさだけでなく、なごやかで楽しい雰囲気作りに一役買っていることを物語っています。
 世界的には中国の「火鍋(フォクオ)」「砂鍋(シャークオ)」を使った鍋料理、韓国の「チゲ鍋」、スイスの「フォンデュ」、フランスの「ブイヤベース」など鍋物と呼ばれるものがありますが、直箸(じかばし)で「つつきながら」食べる国はあまりないようです。
 というと、鍋物はいかにも古くからあった伝統料理のようですが、日本で鍋料理が普及したのは、ここ200年くらいのこと。たとえ家族であっても、一人ひとり別々にお膳のものを食べていた日本では、直箸への抵抗感がことのほか強かったのでしょう。みんなで鍋をつつきあうなんて、古来からの日本の美徳に反することだったようです。
 1943年刊の「料理物語」に「なべやき」という料理でこう記されています。「みそ汁にてなべにて其ままに申也。たら、ばら、こち、何にても取あはせ候。」これは魚や野菜をみそで煮て(ただし食卓の上ではなく、炊事場で)鍋ごと食卓に出すというもの。当時の世でこれを正式な料理として発表するのは、実に画期的なことだったようです。その後に、湯豆腐、鶏鍋、シャモ鍋といった鍋物が次々と登場し、鍋物は食卓で大ブームを呼んだといわれています。
 そのブームの原動力としてあったのが、日本の「囲炉裏」での食事です。鍋物の大きな特徴である「みんなで囲む」食事形式は、まさに囲炉裏での食事そのもの。鍋物の本当の原点は、この「囲炉裏」での食事にあるのかもしれません。
 家族団らんの機会が減った現代ではなおさら、「鍋物」は家族の絆を深めてくれる温かい食卓の代表的な料理です。普段、玉子ひとつ焼かないお父さんが、すっかり「鍋奉行」と化し。あれを食え、これを食え、これは煮えた、これはまだだ、と大はりきりするのも昔からの風習なのかもしれません。

(琉球新報 週刊レキオ 「Dr又吉の知って楽しい食育のチカラ」 H25.3.14)
鍋料理
2013年03月16日 14:48
Posted by matayoshi
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