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美人酒

 沖縄で酒といえば、やはり泡盛です。酒は嗜好品としてだけではなく、神事にも欠かすことのできない大切なものだったのです。記録に「泡盛」という名が登場するのは、1671年とされています。これは薩摩の琉球入りの後ですから、歴史的にはそれほど古くはないと思われます。もっともこれは記録上のものであって、蒸留酒の技術が伝来した14世紀以降は泡盛に近い酒が飲まれていたと考えられています。
 それ以前はどうかというと、「美人酒」という酒を飲んでいたとのことです。「美人酒?」大変おいしそうですぐ気持ちよくなってしまいそうな名前ですが、一体それはどんな酒なのでしょう。一般的には「口嚙み酒」といわれるお酒です。「口嚙み酒」とは、その名の通り、人がごはんをそのまま嚙んで一端吐き出します。ごはんを嚙んでいると、何となく甘みが感じられます。唾液に含まれるアミラーゼという酵素によってでんぷん質がブドウ糖に変化し、甘みを感じるのです。また、この糖質はそのまま放置すると空気中の酵母の働きによりアルコール醗酵します。これがお酒となるのです。
 1477年に朝鮮の済州島の船員たちが与那国島に漂着した時の記録「李朝実録」に以下のように記されています。「酒は、米を水に漬けておいたものを女たちに嚙ませ、粥にして木桶に入れて醸す。麹は使わない。この酒は非常に軽く、数日で熟するが長くは置けない。」
 つまり、泡盛が世に登場する以前は、沖縄の人たちは今でいう濁り酒のようなものを飲んでいたのです。興味深いのは、この口に含んで吐き出す仕事は必ず女性で、それも未婚の処女に限られていたということです。それを知って少し安堵したのは私だけでしょうか。
 古来、酒づくりは神事には欠かすことのできない神聖な伝統行事のひとつでした。西表島の豊年祭では、大正末期までウルチ米を原料にした口嚙み酒が造られていたそうです。しかし、この別名「美人酒」、製造に携わった女性たちの名前はいつも明かされなかったといいます。その方が神秘的でよいのかも知れません。

美人酒
2014年11月26日 21:46
Posted by matayoshi
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